青山学院大学経営学部では、2013年度から英語の基礎教育に「スーパー英語 Academic Express 2」(以下、スーパー英語)を導入し、効果の高いインプット学習による自主学習の習慣と、教室を使用した少人数クラスによる密度の高い講義を実現している。青山学院大学では、2013年4月から教育課程の再配置によって経営学部・経営学研究科の全課程が青山キャンパスで受講できるようになった。これにともない、少人数クラスによる精読中心の科目と、スーパー英語を用いた自律的な学習科目の二本立てカリキュラムに移行した。

就学キャンパスの移転でカリキュラムを変更
教室や予算を増やさず“少人数クラス”の実現へ

青山学院大学経営学部がeラーニングの導入を検討し始めたのは2012年度から。市場で提供されているeラーニング教材を5製品ほど比較・検討し、その中から「スーパー英語 」を選択した。青山学院大学経営学部で英語講義を担当し、「スーパー英語 」の導入を主導した永井忠孝准教授によると、eラーニング教材は経営学部の英語教育についてのカリキュラム・ポリシーに沿って選定された。「当初、私たちがeラーニングに対して抱いていたイメージは、リスニングを中心とした教材だろうというものでした。実際、そのような教材やディクテーションを中心とした教材がほとんどでしたが、私たちはあくまでも読解を中心に据えたいと考えていました」。この方針はeラーニング教材に対してだけでなく、クラスの授業についても同様で、これに合致する教材が求められていた。

「スーパー英語は、リスニングの課題も数多く用意されていますが、読解の課題が非常に多い。1回につき1、2題の読解の問題を週に3回、それを2年間継続して出題できるほど豊富に用意されているため、読解の訓練には最適です。こうした他の教材にはない特徴が、私たちにとって最も重要な選定のポイントになりました」(永井准教授)。

さらに、「スーパー英語」が同大学の理工学部で先行して利用されていたことも、その導入を後押しした。永井准教授は、すでに活用していた理工学部の英語の先生に相談し、スーパー英語の特徴や使い方などを聞いて好印象を持ったという。「実際に使ってみると、私たちが期待する使い方に適合する教材だったので導入を決めました」。

青山学院大学の経営学部では、読みに重点を置いて「読む」「書く」「聞く」「話す」という4つの技能を養い、英語を介して幅広い知識や教養を身につけられる英語教育の提供を目指している。このため、TOEICやTOFELといった英語能力テストの点数を単に上げるための教育ではなく、社会人として“引き出し”の多い人材の育成に資する英語教育を必修科目として提供する。

現在市場では、そうした英語能力テストの点数を上げることを謳い文句にしたeラーニング教材も数多く出回っているが、永井准教授は「それを大学の英語教育で目指してはいけないと考えています。大学では、目先の結果を追うのではなく、長い目で見て学生の“引き出し”を増やすような教育を提供することが重要です」とし、「スーパー英語で学習すればTOEFLやTOEICといった英語能力テストの点数は当然上がりますが、それが目的ではありません。私たちがスーパー英語に期待しているのは、多様な英文を読ませてくれることで学生の読解力を高め、それによって“引き出し”を広げてくれることにあります」と語っている。

こうしてスーパー英語の導入を決定した経営学部は、2013年1月にシステムを発注し、約2カ月で本番稼働できる環境を構築した。システムの導入にあたっては、サーバの設置や設定などのシステム管理的な業務に不安もあったが、導入からシステム構築、そして運用までエル・インターフェース社が担当し、以降、問題なく稼働しているという。

授業を「自律学習型」と「少人数クラス型」の二本立てに
1・2年次の学生約1,000名が英語を自律的に学習

「スーパー英語 」は、1年次・2年次の学部学生を対象として、それぞれの学年を2人の教員で管理する体制で2013年4月から利用開始された。これにより経営学部では、英語の授業を“eラーニング教材による自律学習”と“少人数クラスによるきめ細やかな授業”に分割することで、密度の濃い授業を実現した。

eラーニング教材による自律学習では、学生は在宅時を含めた自由な時間設定によって課題にそって勉強することができる。しかし、設定されたカリキュラムを15週間、80%以上達成しなければテストを受けることができないという条件があり、また週に3回の課題が出題されいるため、1週間で4~5時間を費やさなければ課題がクリアできないほど厳しいカリキュラムだという。この新体制により経営学部の学生は、日ごろはeラーニングで課題をこなし、週に1回、少人数クラスによるきめ細かな授業を受ける。

また、スーパー英語の機能について永井准教授は、「1日単位で課題を設定できることが一番重要でした。その日ごとに課題が設定できるため、eラーニングでも教室で英語の授業を受けるように定期的かつ規則的に学習できることと、出題する課題の数が非常に多いことがかなり有用でした」と語り、特に1日単位で課題が設定できる『Selected Training』機能は他のeラーニング教材には装備されていないという点で、大きく評価している。

導入時の不安についても、「私自身もそうですが、教員側はそれほどコンピュータやシステムに精通しているわけではないので、システムを管理できるかどうかという不安もありましたが、実際に使い始めてみると、特にトラブルもなく利用できています」とし、管理や使い方についても、「導入して2年目の2014年には他の教員にも一通り説明し、それで問題なく管理できています。学生には4月に説明会を開きますが、それだけで使い方についての質問もほとんどありません。管理や使い方については当初の心配は杞憂でした。もちろん、学部全体の理解と協力があってこそ成り立っていることですが」と語っている。

一方、スーパー英語を使用している学生側はどのように評価しているのか。アンケート調査などの回答では、課題は週に3回ではなく、週に1回または月に1回にまとめて出題してほしいとの意見が多く、1年次の最初の頃は課題が簡単すぎるという声も多いという。永井准教授によると、これはあえてそのように運用しているという。「週に3回出題するのは、自律的に学習する姿勢を習慣化することが目的です。最初の課題は簡単ですが、それでも課題を消化せざるを得ないような状況を作ることが、もう1つの目的でもあります」(永井准教授)。また、スーパー英語の導入と同時に実現した少人数クラスの授業についても、「やはり少人数だと教育効果も高まります。40人規模のときと違って、教員の目が行き届き、学生側もしっかり予習して授業に臨むようになりました。クラスの人数が少ないことで連帯意識が高まり、途中で脱落する学生も減っています」と語り、eラーニングと少人数クラスの両方で優れた効果が発揮できていると見ている。

また同学部では2014年秋から「スーパー英語 AE2」の機能である『学習マイレージ』を用いた制度を導入した。これは、ある一定時間をeラーニングで学習すれば『学習マイレージ』が貯まり、半期ごとにそれが成績に反映されるという仕組みだ。具体的には、半期で4,500マイルを稼がないと不合格になる。「この仕組みによって学生にインセンティブを与えることが出来、学生の学習時間も増えました。」(永井准教授)。

スーパー英語を導入した効果を永井准教授は、以下のように語っている。「複数の英語教員による全体的な印象では、スーパー英語で学習してきた2013年4月入学の学生は、以前の学生と比べて真面目に取り組む傾向が見受けられます。その要因はスーパー英語か少人数クラスか、あるいはその両方の効果かは特定できませんが、少なくとも学生の英語に取り組む姿勢が良くなったことは確かですね」。

【青山学院大学 経営学部】

青山学院大学の経営学部は、1916年(大正5年)に創設された「実業科」を母体として設置され、文学部英米文学科とならぶ同大学の源流の1つとして100年近い歴史を有する。現在の経営学部は、「実業科」の創設以来、プロテスタントの倫理の中核をなす勤勉、倹約、合理性の精神にもとづいた職業観と経済活動の実践方法を学び、考える場としての役割を継承する形で誕生した学部で、「経営学科」と「マーケティング学科」の2学科で構成され、約2,300名(2014年5月1日現在)の学生が在籍している。